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2024年11月22日  01時37分
有刺鉄線爆破ボード
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 世の中には様々な体を使うプロの表現者の方がいらっしゃいます・・。
 
 役者やら・・ダンサーやら・・見世物小屋の人やら・・プロスケーターやら・・噺家やら・・競艇選手やら・・ミュージシャンやら・・プロ野球選手やら・・プロゴルファーやら・・レーサーやら・・。

 普通の人が出来ない事が出来るから・・・プロフェッショナルと言えるのでしょう。

 そんな超人で在りながら・・・体を張って闘う宮本裕向選手とシャドーWX選手の試合には、胸を撃たれる物が在りました・・。

 シャドーWX選手は4度の防衛戦で守り抜いて来た王者のベルトですが、このベルトの意味と重さは並大抵の物では在りません・・。
 
 大日本さんと5年位一緒に仕事をさせて頂いて居ますが、デスマッチ団体のトップに君臨すると云うのは、心と肉体の強さは然る事乍ら発想と表現力をも備えなければ行けない重責をも背負う訳です・・・。
  
 歴代の物凄いデスマッチ・ファィター達と比較対照される訳ですから、それなりの説得力をお客さんから当然要求される訳です・・・。
 
 オリンピック選手と違いますから、ベルトを巻いたから突然、人生が一変する様な事も無く・・。一生食べて行ける訳でもなく・・・、下手をしたら一生を棒に振るかもしれない様な危険な事に取り組むのが、メインイベントで闘うデスマッチ・ファイターなのです。
 
 僕なんかは重責を負うのは苦手ですから、厚生労働大臣と朝ドラのヒロインとデスマッチヘビーの王者なんかは、絶対に務まりません。
  
 2008年は1月2日の後楽園ホールを皮切りに、何試合見て来たかは数え切れない程ですが、そんな1年間の終わりのビッグマッチは、新デスマッチ王者・宮本裕向選手の誕生と云う形で幕を閉じました・・・。
 
 宮本選手には、今迄に無いムーブを巻き起こせる閃きが在る様に感じます・・。

来年は"王者"の名にふさわしい宮本裕向の更なる暴れっプリを楽しみにしたいと思います・・・。
 頑張れ!、宮本選手。
 

 因に昨日のsasakittyはメインイベントの有刺鉄線爆破ボードと云う、ニュートラルコーナーに設置された物騒な装置の、安全装置を解除する担当でした・・。
 選手やお客様が大怪我をする可能性が在る仕掛けですから、失敗は許されない訳です・・。
 開場前に、横浜中消防署の係官の方立ち会いのもと、安全確認をするのですが、安全対策で最前列を一列下げたりと・・・こちらも大変でした。
 
 こんな役割も出来ればやりたく無い物ですな・・・。
 


 大会は無事終了しましたが・・。
年内にもう一つある撮影のロケ場所が、野毛の方に在るのでロケハンを兼ねて一杯飲む事に成ります・・。
 
 映画好きのお客様から見れば、僕らなんかの映像業界は良い仕事の様に思えるのでしょうが、現実はタダの製造業であると云う話を致しました。
 
 最近の映画製作会社と云うのは自動車メーカーと一緒で、どんな車を作るかと云う事を企画するだけです・・。
 様々な部品は協力会社や下請けの小さな部品メーカーが製作して組み立てだけを自社の工場でしています・・。
 下手すると、自社の工場も持たずに、その辺の倉庫を借りて、組み立てをする場合も在る訳です・・。
 
 製造業の世界は、今、社会問題に成っている「派遣労働者」と云われる組み立てラインの人々が居ますが、その「派遣」と言う言葉のカラクリに問題が在るのでしょう・・。
 昔は「期間工」と言って、農家のお父さんなんかが農閑期に出稼ぎでやるのが、車の組み立てラインだったりしました。
 そんな事情で、寮が在ったり・・支度金が出たり・・・と云うシステムが未だに残って居た様です。
 「期間工」なんて時代遅れな呼び名だと、「蟹工船」や「ああ野麦峠」みたいな余り良い印象が持たれないと思ったのか・・・「派遣労働者」と呼ぶ様に成ったのでしょう・・。
 然もトヨタなんかは、トヨタが出資する派遣会社を作って、自社の工場に人工(にんく)出しをして居た訳ですから、頭の良い経営者の考える事は違います・・。
 
 我々の映画を作ると云う作業も、嘗ては1本の映画を作る為に全部のセクションの人材を正社員として雇用していました。
 正門に居る守衛のおじさんもです・・。

 そして、映画産業が斜陽化して、各社組合の労働争議や社員を技能契約や、作品契約・・・業務委託と云う制度に切り替えて、今日の映画業界は在ります。
 100人位居る現場でも、その製作会社の社員なんか一人も居ない場合も在ります。
それが、これから迎える現実なのです・・。

 NHKの仕事をしていた時なんかは、50人位居るスタッフの中でNHKの人は1人だけでした・・・。
 
 僕らの業態は、いわゆるアウトローな契約社会ですから、何の補償も在りません。
プロレスラーと一緒で・・怪我をすれば終わりだし・・悪い評判が立っても誰も守って呉れません。
 タイムカードも無い替わりに残業手当も無い様な、自由な日々が補償されて居るのが裏稼業の世界ですから、日本の雇用形態が・・全てその日暮らしの裏稼業に成る日も近いのかも知れませんな・・・。
 
 「派遣切り許すまじ・・・」と言う論調が派手に報道されて、行政も保護策を出す様ですが、僕らの業界の様なフリーの世界や、委託業務と言う下請け業種の零細な法人に言わせれば、「こっちも税金で保護して呉れよ・・・」と言った事の様です。
 土木・建築業界も下請け業者と言うピラミッドの上に成り立っていますから、一現場終われば次の補償は在りません・・。
 
 この派遣問題が忘れ去られると、組み立て工員を20人単位くらいで法人化させて、業務委託と言う形で工場で働かせて、それぞれ価格とクオリティーを競争させる時代が来る可能性は考えられます・・・。
 それは、僕らの働いて居る社会がそうだからです・・。

そう考えると小心者の僕なんかは、怖くて眠れませんな・・・。 


 熱く語ったあとは、小腹も空いたので吉田町に在る「ホームラン・バー」と言うお店でチヂミを肴に一杯頂きました。
 こちらのお店は、横浜スタジアムの売り子さんが店員さんとして働いて居るお店で、店内はベイスターズ・ファンには嬉しい物が一杯です・・。
 シーズンオフでもハマスタの気分が忘れられない人にはお勧めです・・。 
 
 ツマミに、ハマスタ名物マルハのちくわが無かったので、マスターに用意して置く様にと圧力を掛けておきました・・。
 みかん氷withテキーラ共々、来シーズンからメニューに加わる事を祈ります。

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2008年12月20日  07時17分
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