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2024年04月19日  05時33分
謎の宿
CATEGORY : [特殊な場所]
 例えば・・・・。
自分が、都会や世間と云うしがらみを忘れて、山奥の民宿にぶらりと出掛け・・・、その辺鄙(へんぴ)な地方の人との温もりに触れて、癒される・・・。
 そんな幻想を抱いて旅に来て居る人に対して、受け入れる側の9割が東京などの都市部在住で・・・尚且つ、堅気(かたぎ)では無かったら・・・。
 旅行者にとっては裏切られた気持ちに成るに違いないでしょう。

 僕も以前、能登半島の鄙(ひな)びた温泉に、知人と訪れた事が在りましたが、その宿は鄙びて居るどころか「鄙びた感・・」と云う、日本人が何所か郷愁を求める所を売りにして、一財を成し・・鄙びた宿の裏手に在る屋根付きの車庫にフェラーリを隠匿して居る有様でした・・・。
 サービスを提供する側なんて、実際そんな物なのでしよう・・。
平成の時代に「つげ義春」の漫画に出て来る様な旅なんかは、ナカナカ出来る筈も在りません。

 と言う訳で、前置きに書かれて居る「カタギでは無い」人々の宿の従業員を1日やって参りました。

 本当は、手伝う予定は無かったのですが、馴染みのメンバーが揃っていたので、一宿二飯一晩酌の働きを手伝わせて頂きました。
 
 メンバーは、その宿を運営して居らっしゃる、某劇団のウルサガタ役者・・・そしてもう一人は、関西の某劇団の作・演出を務める座長さんで関西演劇業界の重鎮・・・・・そして三人目は某大手広告制作会社の管理職・・・・そして謎の着物の男sasakitty・・・・と云う、普段余り山間部に適応して居られない皆さんな訳です。

 とても「この村から出た事が無い・・」とか「東京には5年前にしか行った事が無い・・」とかそんな純朴なセリフの出なさそうな面々です。

 それでもまあ・・・連休のレジャーでお越しに成って居る皆様の夢を壊しては行けませんから、それなりに「純粋に仕事を楽しんで居る」と云う感じが伝わる様に努めます。
 
 当然皆さん40過ぎの大人が、気分転換に配膳やら接客やら皿洗いをして居ますから、そこら辺の嫌々手伝わされて居るバイト君とは笑顔の「質」が違います。

 一緒にやらせて頂いて居て、仕事の飲み込みの速さと、かなり熟練して居るかの様な連携プレーに感心させられる訳です・・・。
 さすがは普段 人の上に立つ人達は人からの指示なんか待ちゃしませんから・・・史上最悪のイラチ(せっかち)集団でもある訳です。

 僕なんかは厨房のバイトとかをした事が在りませんから、やり馴れない仕事は何をやっても楽しいのですが、若い時代にトラウマと成って居る人は、絶対に嫌がる作業なのでしよう。
 本当は群馬県の伊勢崎で、機屋(はたや)の旦那衆と一緒に着流しで博打(オートレース!!)をする積もりでしたから、sasakittyは着物しか持って来ていませんでした。
 この極悪な人相でTシャツにエプロンなんか着た日には、お客さんがボラれるんじゃないかと心配に成りますから、町まで戻って藍染めの前掛けを買って来ました。
 宝船の描かれて居るスタンダードな物と、誰が何の為に作ったか解らない不動明王の描かれて居る物と、二種類在りましたが、取り敢えず安全な方を選んだのは言う迄も在りません・・・。
 
 車に積んであった、細い麻縄でタスキを作って戦闘準備完了です。
最初に和装で現れた僕のツラを拝んだ二人の川原者は「お正月の人が来たで〜」と人の事を嘲笑って置き乍ら、今度は仕事する気満々のスタイルに成って居るにも拘らず「でかい丁稚(でっち)やな〜」と、畳み掛ける様に厭味を連発して来ます。
 
 こんな事で めげて居ては、この獣達の中では生き残る事はで着ません・・・。こう云った場合でも、仕事が出来ない奴は、せめて「形(katachi)」から入らないと御客様に対して失礼な訳です・・・。職人の基本姿勢でもあります。

 そんな塩梅で、狸やら狐やら熊やらは・・・人間にバレる事無く民宿の従業員に成り棲まし、お客さんの居なく成ったロビーで、コレ又都会から来た「法律の番人」と酒盛りをして居たと云うお話でした・・・・・。

 目出度し目出度し。



 画像は、謎の民宿に行く道中に立ち寄った別の宿に掛けられていた「大勲位」揮毫に因る書。

 「人生に意気を感じる・・」

           仰る通りかも知れませんな・・・。
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2010年05月04日  04時27分
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